Shop Payとは?Shopifyペイメントとの違いも徹底解説

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ネットショップにおいてスムーズでストレスのないチェックアウトはとても重要です。
Shopifyの調査によると、ネットショップのカゴ落ち率は平均で70%、そのうち20%近くが複雑なチェックアウトプロセスによるものでした。
Shopifyはそんな複雑でストレスを感じるチェックアウトを簡単するため、独自の決済サービス「Shop Pay」を2017年にローンチし、現在では累計240億ドル以上取引されるサービスとなりました。
今回はそんなShop Payの特徴や実際の効果などを詳しく解説します。また、Shopifyが提供する決済システム「Shopifyペイメント」との違いも合わせて解説します。
Shop Payについて
Shop Payとは
Shop Pay(元Shopify Pay)は数クリックだけでチェックアウトができる決済サービスです。
ネットショップの決済にはクレジットカード情報や配送先の住所が必要になるため、とても面倒な入力作業が必要になります。
ですがShop Payは、一度利用すると決済に必要な個人情報を暗号化して保存し、次回から決済情報を入力することなく数クリックで商品を購入することができます。
またShop Payに保存された情報は、他のShopifyストアでも使用することができるため、英語で商品の配送先住所を入力すると、海外のストアからでも簡単に商品を購入することができます。
このようにShop Payは素早いチェックアウトと満足度の高いショッピング体験を実現し、2021年3月末時点で累計240億ドル以上の取引額を達成しています。
Shop Payの決済手数料
Shop Payは、Shopifyペイメントと同様に、Visa、Mastercard、American Express、JCBなどのクレジットカード、またはデビットカードに対応しています。
決済手数料は以下のとおりです。(Shopifyペイメントと同じ)
スターター | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
---|---|---|---|---|---|
国内のクレジットカード手数料 | 5.0% | 3.4% | 3.3% | 3.25% | 3.15% |
海外のクレジットカード手数料 | 5.0% | 3.9% | 3.85% | 3.8% | 3.75% |
JCBのクレジットカード手数料 | 5.0% | 4.15% | 4.1% | 4.05% | 3.75% |
Shop PayとShopifyペイメントの違い
Shopifyペイメントは、Shopifyで構築したネットショップがクレジットカード決済やApple Pay、Google Pay、Shop Payに対応できるようにする決済システムです。
Shopifyのマーチャントが、自身のネットショップでこれらの決済手段に対応するために初期設定で導入されている決済システムです。
一方でShop PayはShopifyが提供する独立した決済サービスです。
Shopifyペイメントとは違い、外部のプラットフォーム上でも決済手段として利用することができます。
Shop PayをShopifyストアに導入する場合は、Shopifyペイメントの決済設定で「Shop Pay」にチェックを入れるだけで利用することができます。
Shop Payの特徴と効果
動的チェックアウトボタン
Shopifyで構築したネットショップには、動的チェックアウトボタンというすぐにチェックアウトできる機能があります。動的チェックアウトボタンは、Amazon PayやGoogle Payなど、特定の決済サービスを導入することで利用が可能になります。
そんな動的チェックアウトボタンをShop Payでも利用することができます。
Shop Payの効果
Shop Payは、素早く安全な決済サービスとして知られています。
Shop Payでの支払いは通常の支払いよりも70%速く、ShopifyストアでShop Payを有効にすることで、リピーターの購入率が最大18%改善したというデータがあります。
また、Shop Payで決済できる10,000店舗を対象に調査を行った結果、通常の決済方法と比較して、Shop Payを利用した方が注文単位のコンバージョンが平均1.72倍高くなったというデータもあります。
Shop Payを利用できるプラットフォーム
Shop Payは、GoogleやFacebookなど他のプラットフォームでの対応が進んでいます。
Shop Payを利用したチェックアウトは、Shopifyを利用していない場合でもFacebookとGoogleで販売しているすべてのマーチャントが利用できるようになる予定です。
そうなることでInstagramやFacebook、Googleのユーザーは、Shop Payで簡単に商品を購入することができます。
Shop Payの分割払い
アメリカに拠点を置き、米ドルで販売しているShopifyストアでは、Shop Payの分割払いオプションを利用することができます。
Shop Payを利用すると、ユーザーは50~1,000ドルの注文について、チェックアウト時に全額支払うか、購入額を4回の分割払いで決済するかのいずれかを選択できます。
分割払いを選択した場合も、追加料金や利子、延滞料金が請求されることはありません。
Shop Payの分割払いは、そのオプションがあることをユーザーに知らせることで、購入率と平均注文単価を高めることができます。
配送にかかる二酸化炭素排出量の削減
Shopifyは環境に配慮したショッピングを実現しようと、カーボンニュートラルの取り組みを行なっています。
具体的にはShop Payを利用したすべての注文は、配送時に発生する二酸化炭素排出量をユーザーやブランドに負担なく、100%相殺されます。
この取り組みは、実際にベータ版のリリースから3ヶ月で1万トン以上の二酸化炭素排出量を抑えました。これは自動車で2,480万マイルを走行した場合と同じ量です。
またShopifyのショッピングアプリ「Shop」では、ユーザーそれぞれが抑えた二酸化炭素排出量の履歴や、コミュニティの全体的な影響を確認することもできます。
Shop Payの使い方
マーチャントによるShop Payの設定方法
Shop Payは、Shopifyペイメントを利用しているすべてのストアで利用することができます。
Shop Payの有効化は、Shopifyの管理画面から「設定 > 決済」をクリックし、Shopify Paymentsの欄で「Shopifyペイメントを有効にする」をクリックします。
Shopifyペイメントの有効化と同時にShop Payも有効化されますが、Shopifyペイメントの管理画面からチェックボックスで設定の変更が可能です。
ユーザーによるShop Payの利用方法
ネットショップで最初の購入時にShop Payを選択してチェックアウトすると、自動で決済情報がShop Payに保存されます。
または、ショッピングアプリ「Shop」から決済情報を登録することも可能です。
Shopアプリから決済情報を登録する場合は、Shopを開き「Account > Wallet」をタップしてクレジットカード情報と配送先住所を登録します。
クレジットカードと配送先住所は、それぞれ5件までShop Payに保存することができます。
Shop Payを使用する際、決済手段でShop Payを選択するとSMSで6桁の認証番号が届きます。その番号をチェックアウト画面で入力すると、あとは配送方法を選択するだけで決済が完了します。
【最後に】Shop Payが一般的な決済サービスになる
今回はShopifyが提供する決済サービス「Shop Pay」について解説しました。
Shop Payは現在インターネット上で最も速く、コンバージョン率が高い決済手段です。
これから他のプラットフォームでも利用が可能になり、現在利用されているネットショップに加えてさらに100万以上のショップで利用ができるようになる予定です。
今後Shop Payは、一般的に利用される決済サービスになる可能性があります。あなたのショップでも是非Shop Payを利用してみてください。