Shopifyで越境ECを始めるための手順やメリット・デメリットを紹介

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この記事の所要時間:8分

海外のユーザーに向けてネット販売を行う「越境EC」をご存じでしょうか。

現在、この越境ECが大きな注目を集めており、またこの越境での商品販売に最適なECプラットフォームが「Shopify」です。

これからShopifyを活用して、越境ECサイトの運営を始めようと考えている方は多くいると思います。

ですが越境での商品販売は、国内販売よりも準備することが多く、少し複雑に感じるかもしれません。

そこで今回は、Shopifyで越境ECサイトを始める際に、確認すべき6つのチェック項目をご紹介します。また、なぜShopifyが越境ECサイト構築に適しているのか、Shopifyを活用するメリットも解説します。

越境ECサイトとは

越境ECとは、ネットショップで国を越えて海外のユーザーに商品を販売することです。Shopifyで構築したネットショップは、誰でも簡単に海外のユーザー向けに商品を販売することができます。

海外のユーザー向けに商品を販売することで対象顧客が大幅に広がるので、事業の成長が期待できます。

越境ECのメリット

越境ECのメリットは以下の通りです。

  • 海外のユーザーを獲得できる
  • 世界規模でビジネスを拡大できる
  • 日本製に魅力を感じるユーザーにアプローチできる

■海外のユーザーを獲得できる

越境ECの最大のメリットは海外のユーザーを獲得できることです。

日本国内では多く販売されている商品でも、海外向けの販売では競合も少なく、付加価値が高くなります。

また対象となるターゲットの数も増えるため、魅力的な新たなマーケットを開拓することができます。

■世界規模でビジネスを拡大できる

越境ECは単純に対象とするターゲットの数が広がります。全世界を対象に販売を行わなくても、例えば中国といった市場だけでも日本人口の約10倍の市場規模になります。

そのため、日本国内だけで販売するよりもビジネスを拡大できる可能性があります。

■日本製に魅力を感じるユーザーにアプローチできる

日本製の商品の品質は世界でも認められるほど高く、多くの人に認知されています。

また、日本特有のサブカルチャー商品なども越境ECサイトでは多く販売されており、日本では当たり前のように街中に存在する商品でも海外ユーザーには魅力に感じてもらえるものが多くあります。

越境ECのデメリット

越境ECのデメリットは以下の通りです。

  • 輸送コストが高い
  • 国によって異なる対応が必要
  • トラブルが発生する可能性が高い

■輸送コストが高い

越境ECの最大のデメリットは高い輸送コストです。

配送料も高くなりますが、関税なども発生し、取引のために様々な間接コストがかかってしまいます。

そのため値段設定がとても重要になります。

■国によって異なる対応が必要

海外での商品販売は、国ごとの法律や規制を守って販売する必要があります。

税金関連の問題もありますが、EUで適用されるGDPRなど個人情報に関する規制も存在します。

そのため、越境ECを開始する前は、必ず対象となる国での販売に関する規制や法律を専門家に相談することをオススメします。

■トラブルが発生する可能性が高い

越境ECは海外ユーザーに向けて販売し、間で関与する業者が多い分、もちろんトラブルが発生する可能性も高くなります。

配送中の商品の破損や返品など、事前に把握しておくことが重要です。

Shopifyで越境ECサイトを構築する4つのメリット

越境ECサイト運営において、Shopifyを利用するメリットは主に以下の4つです。

  • 多言語/多通貨に対応できる
  • 様々な決済サービスの導入が可能
  • 国ごとの配送料や税率の設定が簡単
  • 様々な販売チャネルを追加できる

多言語/多通貨に対応できる

Shopifyは50言語、130ヵ国以上の通貨に対応しており、現在は175ヶ国以上、100万以上のマーチャントに利用されています。

Shopifyの専用アプリを利用することで、サイトを訪問したユーザーの位置情報に合わせて、言語と通貨を自動で切り替えることができます。

また、Shopify Plusというエンタープライズ向けのプランでは、構築したサイトを複製して合計10サイトを運営することができ、国ごとにローカライズしたストア構築が可能になります。

様々な決済サービスの導入が可能

ShopifyにはShopifyペイメントという決済システムが搭載されており、クレジットカード決済やApple Pay、Google Payでの決済に対応することができます。

また、その他にも100種類以上の決済方法に対応することができ、対象の国で多く利用されている決済サービスも簡単に導入することができます。

特にPayPalは世界で3億6000万人以上のユーザーが利用しているので、越境ECサイトを運営する際は導入することをオススメします。

国ごとの配送料や税率の設定が簡単

越境ECでは国ごとの配送料や税金を設定する必要があり、Shopifyではこれらの設定を国別に行うことができます。

配送料は、配送先の地域や購入商品の内容によって細かく設定することが可能です。税率に関しては、販売する国や地域ごとに自動で判断して適用することができます。

様々な販売チャネルを追加できる

Shopifyはネットショップを構築して商品を販売するだけではなく、AmazonやeBayなど海外の大手ECモールサイトにも商品を出品することができます。

また、これらの販売データや在庫数はShopify上で一元管理することが可能です。

自社ECサイトを運営する上で集客はとても重要です。海外で商品を販売する際に対象国の大手ECモールサイトに出品できることはメリットになります。

その他にもShopifyはSNSと連携することで、Facebook ShopやInstagramショッピングなど、SNS上で商品を販売することができます。

SNS上での商品販売は、対象国のユーザーに直接アピールすることができるので、とてもオススメです。

越境ECを始めるためのチェックリスト

では、そんなShopifyで越境ECサイトを始めるために、確認すべき6つのチェック項目をご紹介します。

またこちらのチェック項目は、Shopifyの基本的な使い方を理解しているマーチャント向けです。まだShopifyについて理解できていない方は、以下の記事も合わせて参考にしてください。

ショップ公開までに行う7つの設定!Shopifyの使い方完全ガイド

1. 言語の設定

まずはネットショップの対象となる地域の言語でサイトを構築する必要があります。複数の地域を対象とする場合は、多言語に翻訳が可能なショップを構築します。

Shopifyは、通常の3プラン(ベーシック、スタンダード、プレミアム)では最多5か国語、Shopify Plusでは最多20か国語で商品を販売することができます。

ですが多言語対応で販売する場合は、Shopifyの言語設定と翻訳アプリの導入が必要になります。

Shopifyの多言語対応の設定について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

Shopifyストアを多言語に翻訳する方法をわかりやすく解説

2. 対応通貨の設定

通貨の表示変更には通貨切り替えのShopifyアプリが必要になります。

通貨を切り替えるアプリ「BEST Currency Converter」は、通貨の表記を設定しておくことで、日本円を海外の通貨に自動で変換することができます。

160種類以上の通貨に変換することができ、無料プランでも5つの通貨に対応が可能です。

また、通貨レートは1日に2回自動で更新され最新の価格が自動で表示されます。リアルタイムで更新されるため、通貨レートの確認や更新の手間がかかりません。

3. 決済サービスの導入

商品を販売する対象の地域に合わせた決済サービスの導入も必須です。

Shopifyでは、デフォルトで設定されているShopifyペイメントを活用することで、グローバルで使用される主要なクレジットカードブランドに対応することができます。

また海外ではPayPalや、Amazon Payなどの決済サービスも多くのユーザーが利用しています。中国ではAliPayやWeChatPayなどの対応が必要になります。

対象の地域で信頼性が高く、多くのユーザーが利用している決済サービスを導入してください。

4. 配送料を設定

Shopifyでは、配送料を設定した地域にのみ商品を販売することができます。そのため対象地域の配送料の設定が必要です。

海外に商品を発送する場合は、関税などで配送料が高くなるので、関税の費用も考慮して配送料を設定してください。

配送料の設定方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

Shopifyの配送料を徹底的に理解するためのまとめ

5. 配送方法を確立

越境ECの配送業務は、送料の設定や関税の計算、インボイスの作成など手間がかかります。

また国内配送とは異なり、最適な配送ルートを確保しないと配送料は高くなり、商品到着までのリードタイムも長くなってしまいます。そのため配送方法の確立がとても重要になります。

Shopifyで越境ECサイトを運営する上で、よく利用される配送サービスは以下の2つです。

■クーリエ便

クーリエ便とは、FedExやDHL、UPSなどが行っている配送サービスです。

クーリエ便は配送がとても早く、アジア圏で1~3日、アメリカやヨーロッパで3~5日で商品を配送します。配送方法によってはアメリカに1日で配送できるケースもあります。

また独自の通関システムを持ち、関税対策のサービスも充実しています。

料金は少し高くなってしまいますが、早く正確に商品を届けたい方はクーリエ便の利用がオススメです。

■日本郵便

日本郵便は国際郵便を行っており、比較的安価で120カ国以上に商品を配送することができます。

海外配送の場合、商品を雑に扱われることが多く商品が破損するケースもありますが、日本郵便は安心して商品を預けられます。

ですが商品サイズや重量の制限が厳しく、配送には最低でも3日程度かかるというデメリットもあります。

海外配送はなるべく配送料を安く抑え、配送日数も短くしたいところですが、配送のクオリティもとても重要です。いくつかのサービスを利用して検討することをオススメします。

6. 関税と消費税の調査

越境ECを運営していく上で、関税や税金の計算などを考慮しなくてはいけません。

海外に商品を発送する際には商品によって関税がかかります。消費税やVATについても国によって異なる税金制度があり、顧客が期待する金額もそれぞれ異なります。

関税の対象商品や割合は発送先の国によっても異なるため、事前に税制度について調査をしておく必要があります。

また対象国や商品によって、関税の手続きに必要な書類も異なります。許可書や申請書などが必要になるので、事前に調べて準備するようにしてください。

Shopifyでの税金設定については、管理画面から「設定 > 税金」をクリックして各国の税率を設定します。
※事前に配送地域を設定する必要があります。

消費税の設定方法については、以下の記事を参考にしてください。

Shopifyの消費税設定について徹底解説【税込表示・軽減税率など】

まとめ

今回は、Shopifyで越境ECサイトを始める際に、確認すべきチェックリストをご紹介しました。

Shopifyで越境ECサイトを始める際は、事前に以下の項目を確認してください。

  • 言語の設定
  • 対応通貨の設定
  • 決済サービスの導入
  • 配送料の設定
  • 配送方法を確立
  • 関税と消費税の調査

Shopifyを利用すると、誰でも簡単に海外ユーザーに向けてネット販売ができます。ぜひShopifyで越境ECサイトの運営に挑戦してみてください。

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